矢納谷

　2004.8.21　矢納谷（上多古川支流） （大峰・奈良県）

今回は大峰の矢納谷に行ってみましょう。
矢納谷は、大阪から見ますと大峰のほとんど入口にありまして、
登山口まで２時間足らずで行くことが出来ます。

アスファルト舗装が終わった先は道が流されデコボコで、
車で進めなくもないのですがタイヤにキズがいきそうですので、
素直に諦め林道終点までは歩きます。
5分ほど歩きますと入渓点に到着。
危うい鉄の橋を渡りましてさっそく入渓してみましょう。

いきなりの斜瀑をいくつか越えますと、
間もなく大きな滝が見えてきました。

　矢納滝(6:11)

これは素晴らしいですね。
まだ入渓点のほんの近くだと言うのに、
これから先が期待できるのです。

ここは左岸を巻き上がりますとすぐ立派な歩道に出まして、
途中ホコラにご挨拶してから再び沢に戻ります。
岩が大きくてさすがは大峰の沢なのです。
一ヶ所だけ荷物を背負って越えれない所があり、
ここは空荷で突破しお助けヒモで荷揚げしました。

前方にすごい滝が見えてきましたぞ。

　昇竜ノ滝(7:07)

おぉ、これはすごい。
遠くから見ても大きな滝なのですが、
近付けば近付くほどに上部が見えてきまして、
どんどんと天に昇っていくような感じ。
これはホントに大きな滝ですね。あぁ感動。
ここは両岸ガケで登れず、
少し戻った左岸ルンゼから高巻きました。

沢に戻ってしばらく進みますと、、、

　砂利で埋まった釜(7:37)

なんだか大きな釜のようですが今は砂利で埋まっています。
先日の集中豪雨の影響でしょうか。
まさしく沢は生きているって感じなのです。
ここは水流の中央を簡単に登りました。
この先少々ゴルジュっぽくなっていますが難所は無く、
前方にはいよいよ見えてきましたぞ。

　赤ナメクチキノ滝(8:02)

これはめちゃめちゃ美しい滝ですね。
これらの滝全部合わせて『赤ナメクチキノ滝』と呼ばれています。
ちょっと変な名前ですが、たいへん素晴らしい滝なのです。
あまりの美しさに、ここでしばらく休憩することにしました。

それにしてもこの沢、何故だか沢中至る所に太いワイヤーが放置されてまして、
これが全く邪魔なのです。
たぶん伐採作業時に使用したものだと思いますが、
作業が終わったならちゃんと責任持って片づけて欲しいのです。
美しい自然が台無しじゃないですか。
全く難儀なことなのです。
さ、ではそろそろ先に進みましょう。

奥の滝はツルツルで登れませんので左岸を高巻きます。
沢に戻りしばらく進むと、
おぉ！

　コーリンの滝(8:21)

これは岩がゴリゴリの厳つい滝ですね。
ここも両岸ガケですので、正面のガケを見つつ左のルンゼを登ります。
ずいぶん登ってもガケは終わらず、結局小さな尾根まで出てしまいました。
ガケの上を越え、なるべく早めに沢にもどりました。
この周辺は、木と岩がぐちゃぐちゃになったゴーロ帯になっていまして、
ちょっと厄介です。
左岸にある壊れた作業小屋を見送り、
その先のミニゴルジュをドキドキしながら通過します。
ここは特に難所もなくホッと一息。
先は二股になってまして水流がぐっと減ります。
そろそろ水が無くなりそうなので、
ここで再び休憩しましょう。

　今日のおやつ(10:18)

これはお楽しみ。特大ナシのおやつなのです。
美味しそうでしょ。ふふふ。
ではでは頂きまーす。

　連瀑帯(10:48)

周辺は古い伐採地ですが、途中こんなナメや小滝もありまして、
どれも微妙な緊張感で越えることが出来、けっこう楽しいです。
しばらくで水もなくなり、
ヤブ漕ぎ無しで稜線の奥駈道に出ることができました。
周辺は静かな森で、鳥の歌声が聞こえています。
せっかくですので少し森に入ったところでコーヒーでも頂きますか。
静かな森で頂くコーヒーはいつも最高なのです。

　小鳥たちの森(11:25)

先ほどから聞こえている美しい歌声の主はルリビタキさんなのです。
久しぶりにその姿を見せて欲しいのですが、
待っても待っても、なぜだか姿を見せてくれません。
ま、しゃあない。
ではそろそろ下山しますか。

立派な奥駈道を進み小笹の宿の先で阿古滝道に入ります。
分岐には振り返らないと分からない、
見落としてしまいそうな小さな標識があります。
この道ほとんど歩かれていないようでして、かなり不明瞭です。
ルート上に枝が散乱し何度も見失いそうになりました。
しばらく進むと足下に『阿古滝はこの下です』の標識がありましたので、
少し覗いてみましょう。

　上から覗く阿古滝(12:52)

げげげ！これは超恐すぎです。
下はスパッと切れ落ち、50m以上の崖になってます。
そのうえ足元はなんだかふわふわしていまして超不安。
めちゃめちゃ危険なので早々に立ち去りました。
この先、道はやや明瞭になります。

途中猿の軍団に取り囲まれビビリましたが、
何とか無事に下山することができました。
矢納谷は美しい滝が目白押しで、なかなか楽しい谷なのでした。
それでは最後のお楽しみ。
今日は入之波温泉に行ってみましょう。

コースタイム
林道終点～矢納谷遡行～竜ケ岳（遡行終了） 5.5時間
竜ケ岳～奥駈道～阿古滝道～林道終点　2時間

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